いつの間にか4月です!3月は、現場が忙しく新規案件も入りあっという間でした。
夏期竣工予定の、ニセコの大型別荘の現場も順調に進んでおります。やっとコンクリート打設が3Fスラブまで(2Fの天井)完了です!
4月に入り、札幌で新規案件の住宅設計、東京都内では地主さんの土地活用案件などの対応に追われています。
土地活用の場合は、具体的なプランと共に、収益ソフトを使いしっかりとアドバイスさせて頂いております。
設計の仕事は、デザインの仕事が主に思われがちですが、常に数字との関わりが重要になってくるのです:)
先日、アドバイスさせて頂いた投資用案件は、土地から購入をお考えのお客様でした。新築RCマンションを収益としてお考えの方で、土地購入を検討していらっしゃいました。
墨田区、某駅から1~2分の好条件、前面道路は幹線道路。
敷地は狭く、間口は4.6メートル。土地面積は約98㎡。
前面道路は、都市計画道路にかかっています。
こちらの敷地に、防音機能付きのワンルームマンションを計画希望のご相談。
駅近は、音楽マンションには大変適しています。前面が幹線道路ならば尚更良。
都心では、音楽マンションは需要があります!
ちなみに…本来は音楽マンションは1DK以上である必要があるんです。
ワンルームの場合、ひとつの居室にキッチンやトイレ・バスなどの設備がコンパクトに配置され、部屋が独立しない為、防音機能が確実に取れない状態になりNGなのです。
さてこちらの敷地、
敷地面積が小さすぎることに加え、間口が狭い!
そして、前面道路は都市計画道路です。(敷地の奥行まで20mほどしかないのにさらに後退する必要があります)
4.3m道路後退が必要になり、そうなると建物の奥行きは16mほどしかありません!
敷地間口は4.6mなので計算していくと➡➡➡ 建物間口は3.8mになってしまいます。
さて、この建物にワンフロア2戸数のワンルームマンションは配置できるのか?ワンルームの居室は、通常20㎡以上を考えます。
ここでワンルームマンション条例!→
ワンルームマンション条例とは?
都市圏を中心とした自治体では、ワンルームマンションの建築に対して、専有面積の下限、駐車場・駐輪場の附置、隣地間距離、目隠しの設置、ファミリー向け住戸の一定割合の設置、建物使用規則の確認等、様々な規制を設けています。
墨田区の場合は、住戸10戸数以上の場合、1階に駐輪場を部屋数の台数分配置、
壁面後退が隣地境界線から有効で50センチ以上必要、また各住戸の専用面積が25㎡以上必要になる、などの条例があります。
そうなると、配置不可能です。
なぜか?
各フロアーに避難通路を取る必要があります。
こちらのクライアントは、エレベーターなしの建物を元々お考えでしたが、
(23区内、駅近ワンルームマンションでエレなしってどうなの?!)そもそもエレベーターは入りません!!!
ワンルーム条例に引っかからない為には、5階までで9戸数の建物である必要が出てきます。
極小物件にはなりますが、避難通路と階段を入れた敷地を最大限生かしたプランで、
近隣のワンルームの家賃相場を調べ、収支計算をして差し上げたところ、マイナス!!!
利回りマイナスはあり得ないですね。
初めからマイナスでは元も子もないです。
そもそも、ワンルームマンションは建築コストがかかります。
この敷地が地主さんの土地だと問題ないでしょう。
鉄骨造で店舗ビルをつくることも可能ですし、レジデンシャルでも良いと思います。
別の検討案として、ワンフロア1戸数だと可能性も広がります。
フロアーに45㎡から50㎡取れるので2DKもしくは1LDKが可能となります。
フロアー独り占めだと、プライベート感も高まるでしょう!
ワンフロアに1戸数の場合、エレベーターも設置可能なので、8階まで壁式マンションを
建築することができます!
廊下も不要で共用部分を取らずに面積を有効利用できます。
収益案件、個人住宅も同じ考えで、敷地の特性をまず考え、法律を駆使し面積を最大限有効利用するプランを考えます。
もちろん景観との調和も考慮しなければいけません!
収益案件であれば、近隣の現況や今後の周辺動向なども大きくかかわってくるでしょう。
クライアント様のご要望を伺いつつ、周辺環境を考慮して敷地が最大限に生きるプランを考え、適切なアドバイスを差し上げれるよう、今後も努めてまいります。