良い建築とはなにか。

たま~に『良い建築』ってなんだろう??っと考える。答えは人によってさまざまで、きっと正しい答えは一つではない。

『建築』が醸し出す街の雰囲気や、住宅であれば居心地の良さ。建築物からインスピレーションを感じたり、素晴らしい体験が出来ることもあるかも知れない。

けれど、それはやっぱり人によって感じ方が違うだろう。

良い建築を『つくる側の目線』で考えたとき、それは、施工側の技術面、経験値や規模感、そして構造設計も重要なポジションになるので、設計者だけの実力では、どうにもこうにもならない時もある。良いチームワークや連携が大事だ。(なかなか、そううまくはいかないことが事実。)

「良い構造設計(丈夫な構造)であること。工事請負業者が手を抜かずに仕事をすること。」これは鉄板だけど、必ずしもすべての建築物がそうであるかというと残念ながら100%そうではないだろう。

難しい。完成度が高ければ良い、のだろうけどなかなかそこに至るまではいろいろとあり、実は設計者はプランを描き終えてからの方が苦労している。(これは本当!)

~それはさておき、では『良い設計』とは何だろう?~

それを評価するのは施主であり、つまりお金をお支払いされるお客様。その方にとって、満足いく最高のものができればそれは『良い設計』と言えるのだろう。

建築は時に、洋服のように、着用していてリラックスできるもの と似ているような気もする。

その人にとって、洋服のように、袖を通すと着心地が良くて肌馴染みが良く、安らぎやインスピレーションを与えてくれるもの。それが、素材感であったり施工のおさまり、意匠、機能面で表現できれば『良い設計』ができたということだろう。

リラックスできて落ち着く。自分が自分で居れる、ような場所。無理をしなくても自分らしくいれる空間。良い思考回路で正しい判断ができる空間。

前川國男氏とグッゲンハイム

好きな建築物のひとつに、「ロームシアター京都」がある。

巨匠・前川國男氏によって設計された旧京都会館。

京阪電車の三条から東に歩くこと10分ほど。神宮通りの交差点をアガル。朱塗りの社殿がひときわ目を引く平安神宮が視界にとびこむ。

平安神宮の鳥居をくぐったその先に、旧京都会館は存在する。京都は、1200年以上の歴史をかさねてきた日本の古都。

自然うつくしい歴史ある地区に、巨匠・前川國男によって建築された建物がリノベーションされ、モダンに生まれ変わり存在する。

歴史と自然と、モダンな建築物が交差する不思議な感覚。

「同じような感覚が以前にもあった。」

スペインのビルバオ国際空港から市内に向かう車中。唐突に視界に飛び込んできた建築物。『グッゲンハイム美術館』の時の感覚と似ている。

辺り一面山、の自然あふれるバスクの景観の中、とつぜん現れた建物には意表を突かれた。

自然と共存し、時間をかけてつくられた建築物が放つオーラは特別だった。

良い建築物とはなにか。それはきっと人間のエゴに走りすぎない、ことなのかもしれない。

これからの建築、は「持続可能であること」を目指すべきだろうし、変化していくことのできる空間づくりが大切だろう。

でも『持続可能』を目指すには、人間のエゴに走りすぎないこと。数年後も、20年後も30年後も、生き続け変化に対応できるには。

ファッションデザイナー JOSEPH

「良い設計」といえば好きなデザイナーを思い出した。

パリに住んでいた頃、JOSEPHというブランドのお洋服が大好きだった。JOSEPHはイギリスのブランド。(デザイナーはモロッコ人でパリにアトリエがある)

シルエットが最高に美しくJOSEPH以外のパンツは履けないほど。シャツやスカートのデザインも意外性がありワクワクし、素材感もよく着心地が良かった。

自分らしくいれる洋服、袖を通すと身体にフィットしリラックスする。精神が統一する。また、適度な緊張感を与えてくれる洋服。

設計者も同じでそんな感覚を大切にし、試行錯誤によってつくりあげることが大事な気がする。

でも最後に、ひとついうならば…「良い設計とは何か」。それは『納まりの美しさ』、なのかな!

次回は、「住宅設計について」「設計事務所の役割や仕事の内容など」

もう少し詳しくお話ししてみたいと思います。さいごまで読んで下さりありがとう(*ˊᵕˋ*)੭ ੈ❤︎

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