ハンブルクバレエ団 ジョン・ノイマイヤーの世界

来日中のハンブルクバレエ団の公演、「ジョン・ノイマイヤーの世界」 を観てきました。

この週末はNBAバレエ団のバレエ・リュスガラを観に行く予定で、他は予定しておらず…。気になりつつも、前日、当日を迎え。… 開演2時間前は迷いつつも自宅でコーヒーを飲んでいたけれど…、観ないと一生後悔する気がして、それから急いでシャワー浴びて着替え、高速飛ばしてもらった!(山手線で行くと自宅から1時間以上かかるので…)

東京文化会館に着いたのが開演15分前、当日券を無事に買えたのが7分前、4階までかけ上がり席到着2分前。🥲

ハンブルクバレエ団の来日は5年ぶり(2021年の来日はコロナで延期に)。

今回は芸術監督のノイマイヤーの就任50周年、来日ラスト公演。ジョン・ノイマイヤー84歳。

4日間の公演は、振付家ノイマイヤー自身が舞台に登場し、これまで創作した数々の作品を演出しつつ、子ども時代のダンスとの出逢いから彼自身の創作活動を振り返るというもの。

「Dance, DANCE dance dance… MY WORLD is DANCE!…」から始まるクリエイティブな世界!!!

ノイマイヤー本人が舞台に現れ、幕開けと同時にクリエイティブで壮大な世界が繰り広げられた。

「くるみ割り人形」は、彼自身がクラシックバレエの世界へ、バレエのポジションを覚え、ステップを踏んだ日々を回想。マリー役にゲストダンサー、アリーナ・コジョカル。(実は一児の母でもある彼女)。小柄な彼女、一瞬、本当の子ども(小学生)が踊っているのではないか、と勘違いするほど純朴で可憐。

「椿姫」は無限の愛のかたちを表現。アリーナ・コジョカルとアレクサンドル・トルーシュ。

どの演目も美しかった。作品そのものは、歴史や政治を表現するものであったり、人間のさまざまな特性や側面を表現するものであったり。「ダンスとは、人間の魂、精神の深み、そして究極の望み、、さらには我々が抱く疑念、不安、そして信仰の歓びとエクスタシーさえも映し出す。」…

2幕のスタートは「ニジンスキー」

幕開け早々ハードな展開で、涙があふれる。舞台で泣いたのは初めてで、純愛ジゼルを観ても泣かないのにノイマイヤーの舞台で初めて泣きました

モーリス・ベジャールへのオマージュでは、彼の70歳の誕生日のお祝いに創作した作品を披露。

ノイマイヤーの創作活動と自分を重ね合わせる部分もあったり、ノイマイヤーと同じ84歳で亡くなった父を想ったり。(私と父は年齢が離れている)

どの演目も音楽が素晴らしく、ノイマイヤーの優しさと愛が滲み出ているようだった。特別録音による音源なのに、生オケと何度も勘違いするほど… ダンサーも素晴らしかったし、音楽もよかった。

そういえば10歳か11歳くらいの頃、わたしは自分が所属していたオーケストラでドイツに演奏旅行(研修)に行く予定でした!マイケル・ボッセ氏に師事しており、彼の拠点地に行く予定だった。

ところがドイツ本国の問題で、直前に中止になった。 あの時もし行けてたら人生違ったかな、「なんで行けなかったんだろう」… と初めて悲しく思った。当時はあまりよくわかっていなかったので…。

コロナ禍、留学や渡航がやむを得ず、延期や中止になってしまった子たちを何人か見ていて、でも新しい道を見つけてまた頑張っているので、(それはそれで良かった) このコロナ禍や社会状況でも新しい道は必ずある、いくらでも他の道はあるから、とずっと思ってきたけれど…。そうでもない。やっぱりその子たちには諦めずにいつか行ってほしい。

私はその後、辞めてしまってドイツには縁もなくなった。(でもどこかで引っかかっていたのか大学ドイツ語🇩🇪 一年履修していました。今となっては記憶に残っている言語はイッヒリーベディッヒだけ…)

フランスに住んでいる間も、国境を一度越えただけで数時間でフランス🇫🇷に戻るという、ドイツ語も話せないので旅する気にもならず、縁がなかった。

ノイマイヤーは、芸術監督は引退されるけど、スムーズな引き継ぎのために来年2024年までは芸術監督を務められるそう。彼が舞台演出を手がけているうちにドイツまで行きたい🇩🇪 もう一度彼の舞台を観たい!

舞台は最後の最後までカッコよくクリエイティブ。

最後の演目、マーラーでは日本人のプリンシパル、菅井円香さんが優雅な踊りを披露。

ラスト、ノイマイヤーが舞台に現れ、センターに立ったとき号泣。素晴らしいチームと彼のかっこよさに涙が止まらなかった!! 素晴らしいチームワークで最高のクリエイティブ集団!ハンブルクバレエはエリート集団なんて言われているけれど、ノイマイヤーの「愛」がゆえに!! そして舞台の創作一つ一つは、彼の優しさ、ダンスに対する「愛」、ダンサーに対する「愛」と「信頼」から生まれている、と感じました。

最後は総立ち、スタンディングオベーション!!(お写真お借りします。)

カーテンコールでは高所恐怖症なことも忘れて、つま先立ちで背伸びして拍手を送りました。(こっち見てくれた気がする🥲)

本当に行ってよかった。多くの学生(小学生高学年、中学生、高校生) に観てもらいたいし、クリエイティブな活動をされている方にはもちろん、いろんな年代の方に観てみらいたい。(と思った)

舞台は「メッセージ」。受け取り方は自由で、皆それぞれ生きてきた過程や経験も違うから… 自由で良いと思う。

翌日NBAバレエ団の公演が入っていて自分は行けないので、チケットを身近な人にプレゼントした。ジョン・ノイマイヤーの公演は終わってしまったけれど、(ラスト・デーはカーテンコールが止まらなかったらしい?) ハンブルクバレエ団のシルヴィアは木曜日から。日本人のプリンシパル、菅井円香さんが主演。

〜余談〜

東京文化会館の建築は巨匠、前川國男による設計。ル・コルビュジェに師事し、モダニズム建築のパイオニア。しびれる、前川國男の設計。太陽に照らされた巨匠の作品はキラキラ、オーラ放ってる。内部は天井がピンクでかわいい。

(楽屋口)❤️

 

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  1. leebroom
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