アフターコロナの「家づくり」とは?

緊急事態宣言下のゴールデンウイーク。関西出張も延期になり、東京ステイでした。

クライアントへの内装インテリアご提案のプレゼン資料を考えたり、来週からNew staffが加わるのでオフィスの片づけをして過ごしました。インテリアは、建具やノブ・サッシなどでだいぶ印象が変わります。

内装インテリアは「実際に毎日を過ごす空間」。全体の配色、テキスタイルの質感もわたしは大事にします。

先日、カーサミア河口湖(山梨県鳴沢村に所在するアルフレックスさんのモデルハウス)にお伺いし、広大なロケーションにすっかり心奪われ、頭の中は東京ではなくちょっと先の「自然豊かな暮らし」でいっぱいです。

コロナ禍のいま

新型コロナウイルスを経験して、社会はいま、新しい生き方を模索している最中です。もちろん、住宅に対する価値観も。

家で過ごす時間が長くなることで、多様性を持ちリラックスして過ごせる場所、

家族が過ごすスペースとプライベートになれるスペース両方を必要とされる方が増えてきたように感じます。

これからの「建築」は、機能性に特化したスペースをいかにきめ細やかに設計することが、今まで以上に求められる。そう感じます。

これからの住宅設計を考える

「東京で家を建てる。」

地価の高いこの場所に「家を建てる」となれば、小さな敷地に極小住宅を建てる選択になりがちです。しかし少し思考を広げ、

一歩先を見る考えとして、資産運用を見据え、一部賃貸やテナントにできる部分が建築可能な敷地の購入やフレキシブルな設計を考慮することにより、多様な生活様式に対応する住宅規模に近づけることが

可能になります。規模的に40坪から50坪の敷地を想定した場合を考えてみると、

中央に採光を取り、敷地全体に平面的な箱を重ね、階高をなるべく高く取ることでスキップフロアーを取り入れる。

例えばこういった自由度の高い設計を考えることができ、多様性に富んだプランが可能となります。

これからの時代、家族の形態の変化、リノベーションなどの変化にも対応するには、空間を広く取れる構造体や壁面を減らす工夫が必要になります。

構造を考える

近年では、耐震性能に優れ自由度の高い構造体として、主に2つの構造を考えます。

それが木造SE工法壁式鉄筋コンクリート造(WRC造)です。

木造の場合、点を結ぶように構造物を造っていく工法である在来工法(木造軸組工法)、面を組み立て構造物を造る工法である木造枠組壁工法(2×4工法)があります。

しかし、これは、大スパンを構成するには不向きな工法といえます。

一方で、構造集成材(SE工法)を利用することでスパンを飛ばし開口面を大きく取ることができ、自由度の高い意匠を提案できるようになるのです。

これならば、将来、資産運用に適した平面プランにするには、主構造とは別に界壁を設けることで自由な設計で賃貸物件にも変化が可能です。

また、木造以外では柱型・梁型が室内壁面より大きく張り出し、室内有効面積を減らしてしまうラーメン構造が一般的です。

しかし、これに対して壁式鉄筋コンクリート造開口部の自由度が、構造の考え方によって可能になります。

結果として、外壁厚さは2倍になるものの、柱型・梁型がない為、スッキリとしたレイアウトになります。さらに、壁が均一に厚いことで断熱にも有利になり、防音効果もあります。

近年、壁式鉄筋コンクリート造は8階建てまで建てることができるようになりました。これにより一層自由度の高い構造工法になってきているのです。

これからの都心での生活

東京は、本来は住みやすく美しい都市です。

もともとのランドスケープに加え、都市の緑化政策で、緑の多い街でもあります。

しかし、「住宅」で考えると地価の高さや様々なシステムが邪魔をしているのが現実。

相続問題から手放された地主さんの土地を、買い取り業者がミニ開発(区画割)していくことで、どんどん敷地は

狭まっていき、敷地が小さいがゆえに、日影規制や斜線制限(北側斜線)で屋根が切断されていることも(三角の屋根)景観を崩しているでしょう。

そして今、コロナ禍の日本。

多様化していく時代の中で、「東京で暮らす」ということの意味をどうしても考えてしまいます。

もちろん区切らなくとも、平日は東京に、そして週末は郊外でというデュアルライフな生活を送る人たちもこの先増えていくかもしれません。

マンション開発部の友人によると、関西近郊はいま郊外ファミリー層向けマンションが圧倒的に人気だということです!同じように東京も、そこに住む人も

東京一択という縛りから解放されるときなのかもしれません。そう考えれば、マンションを購入される方はやはり郊外が「買い」なのかもしれませんね。

これから、「東京は選択肢の一つ」そう思える時が来る、そんな気がしているのです。

郊外での暮らし

郊外での暮らし、そういっていちばんに思い浮かぶのはやはり環境のこと。生活のすぐ側にある自然、水、空気、そして住環境取り囲むすべてが、お金に換算できない贅沢さを与えてくれます。

土地値も、東京に比べるとずいぶんと安いので理想の建物を建築できる可能性はぐんと広がります。

東京では、敷地も狭くコストも高いことで、届かないと諦めていた夢に手が届くかもしれない環境。

これから良い教育施設や病院、そしてレジャー施設やおしゃれなお店などが集まってくれば、郊外での生活は魅力を増していくはずです。

そうなれば、きっと東京に集中する意味は、だんだん薄れてくるでしょう。

本来であれば、オリンピックが開催されていたはずの日本。世界各国から観光客が集まり、昨年も今年も経済効果は頂点だったに違いありません。

誰もが、2年も続けて緊急事態宣言下でステイホームを強いられるなんて考えなかったでしょう。

こんなにも急激に、多様性を求めつつも新しい生活、新しい社会の在り方へと変えなければならなくなると想像したでしょうか。

そして、これからも、社会はきっと変化を求められます。

リモートワークが当たり前になったように、私たちは新しい生き方を求められ続けるでしょう、きっと。

緊急事態宣言下、東京ステイで過ごしたゴールデンウイーク。そんなことを考えながら、「これからの家づくり」について深く考えていました。

きっと、変化を求められる社会で「住宅に対する考え」もまた、更に変化していくことでしょう。

そんな社会の中で「変化に対応できる家づくり」と「自然をたくさん取り入れる家づくり」をコンセプトに、ライフスタイルに合わせた家づくりのご提案をしていければと思います。

強いられた変化を、希望につながる、夢を掴むための変化に変えられるように。より自由で快適なご提案をしていきたいと考えています。

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