まん延防止等重点措置に続き、緊急事態宣言によって飲食店では、引き続き酒類提供禁止となっていますね。
今まででは信じられないですが、事実、レストランやカフェでお酒が飲めないのはさみしいです(涙)
飲食店で酒類の提供が禁止というのは本当に厳しいと思います。なんとかもう少しの辛抱な気もするのですが。
そんな中ではありますが、少し前に広尾に所在するとあるスケルトン物件を内見に行ってきました。
小さめのスケルトン物件です。
入口は通りからすこし奥まった場所ですが、建物が面する前面道路は昼も夜も人通りがある場所です。
「将来的に隠れ家的なお店をつくれば満席確実だ」となぜか確信しました。
コンパクトですがエントランスは2か所、(裏エントランスはお忍び用?)開放的でとても良い物件です!
仲介さんによると、いま、都内では店舗物件の成約率は意外に多いのだそう。
居抜き物件が多いかと思えばスケルトン物件の成約が意外にあるようです。
自粛期間中に工事を考えられている方が多いのかもしれませんね!
10坪くらいのスケルトン物件だと、計画内容によりますがデザイン・施工期間は1.5か月から2か月といったところでしょうか。
コロナ渦のいま、スケルトン物件で一からお店をつくることは「新しい感覚のお店づくり」が可能なのかもしれません。
コロナが終息しても、新しい生活様式はこれからずっと続きます。
そう考えると、店舗(物件)選びや、設備面をしっかり考慮したデザインは大事だと思います。
そこで、10坪くらいのレストランを想定して、店舗物件を決める際の注意点を考えてみましょう。(小規模ビルに入る場合)
スケルトン物件を見に行こう。
物件内見時はメジャー持参で、内法寸法を測りましょう。(手ぶらではなくメジャー持参で!もちろん必要なことを記すノートやペンも!)
1軒目でこれからお付き合いする物件に出会えるかもしれません!
柱や梁が出っ張っている箇所も確認し、採寸しましょう。
物件内見時は、ゾーニングといって何をどこに配置する、など軽くイメージされてみると良いかもしれません。
ゾーニングはついつい都合よく考えてしまいがちです。
厨房をここに持ってきて、トイレの位置はここで客席がこれくらいで… と。
しかし、配置を考える際、お客様の動線やスタッフさんの動線を考えなければいけません。
前面道路の確認や周辺の状況、交差点があるかないか、などの確認は集客するうえでは必須ポイントです。
入り口や窓の位置、換気面の確認も大事です。
店舗は設備が大事
店舗の場合、設備面がいちばん大事です。
例でいうと、内見した物件は、床下70cm程度の配管ピットがあるので自由設計ができる、お店の動線として自由度が高い。
スケルトン物件としては非常に良い物件でした。
配管ピットがあるので、トイレや厨房設備をどこにでも持ってくることができるわけです。
通常は、設備配管の位置をきっちり確認すること。物件を見に行った際に仲介さんに聞けば教えてくれます。聞いてくださいね!
設備的なことを確認することは大事です。給排水やガスの位置も確認すること!
換気と空調面では、動力は高圧が入っているか確認することも必要。
重飲食の場合、グリストラップ(油をためる場所)が設置可能かどうかもチェック!
排水面の確認
排水がどのような形で流れているか 配管の勾配が取れているかどうか。
取れていない場合は、床を上げていかなければならないので設計段階で確認が必須です。
匂いが逆流してきたりなど、匂いの問題はいちばん大きいです。一歩間違えると、店舗休業しなければいけません。
過去に一度ありました。リノベーションさせて頂いた店舗で、汚水が逆流し臭いが発生し、大変でした。
飲食店ではなかったものの、2、3日休店されていました。
2階以降の場合も排水の経路(勾配がとれているかの)に関しては施行時に注意です。
換気設備
換気設備のチェックです。ダクトがきちんと外部に抜けているか。空調用のダクト、換気用のダクト、厨房用のダクト、配管のためのスリーブなど。
ダクトもしくはスリーブがない場合は、オーナーさん(家主)に確認しなければいけません。
ダクトが建物の設計時にきちんと取れているか。コロナ禍において今後は、特に換気が重要になってきます。
躯体部分に貫通ダクトを施工可能かオーナーさんに確認しなければいけません。
1階で建物の地階に店舗がある場合、
配管ピットがある場合の1階(ピット=設備の為の余分な空間)はよいですが、
ピットがない場合は設備費用に大きく関わることは頭に入れておかなければいけません。
地下がある場合は、配管が決まっているのでトイレの位置が変更しにくいです。
全体的なコストに関わってくるので気を付けましょう。
いかに予算を抑えて理想の店舗を作るか、が大事だとわたしは考えます。
スペースとして新たな価値を
換気がしっかりとできる空間を意識したお店作りや店舗のデザインが大事です。
これからも意識は続くでしょう。
飲食店はただ食事を提供するだけの場所ではなく、コミュニケーションが生まれる場所。
コミュニケーションが生まれ、人が人をまた呼ぶ。お店の方とお客様、テーブルを囲む者同士の会話、その場にいる人たちの会話を育む場所 と考えます。
コロナ禍がいつまでも続くわけではなく、レストランやバーに必ずお客様は戻ってきます。スペースとして、新たな価値を生むためにいま。
飲食店は必ずその街に必要なスペースであり、「食」を通して人々を幸せにする場所。
いま、間違いのない物件選びが大切であり、レストランの設備面の見直しや改修工事はチャンスなのかもしれません。